2024.08.09
土間コンクリート(通称:土間コン)とは、主に建物や敷地内の地面に直接、平面的に打った平らなコンクリートのことです。(簡単に言うと、コンクリートでできた床です。)
駐車場工事や外構工事では必要不可欠ともいえる土間コンクリートですが、大きな特徴はなんといっても耐久性の高さや強度です。そのため、自宅敷地内の駐車場や歩道など幅広い場面で使用されます。表面の色は白~薄い灰色で、表面の仕上げ方法はツルツルと平らにする「コテ仕上げ」と、ザラザラと凸凹にする「刷毛引き仕上げ」があります。
また、土間コンクリートを大きく1枚で仕上げるのではなく、「目地」でブロックわけをして、空いた隙間にカラー砂利や芝生を加えるなど、様々なデザインを楽しむこともできます。
【💡コテ仕上げ・刷毛引き仕上げとは?】
土間コンクリートは、「生コンクリートを流し込んで終わり。」ではありません。
生コンクリートを流し込んだ後には必ず表面仕上げを行います。
その表面仕上げの方法として「コテ仕上げ」と「刷毛引き仕上げ」にわけられます。
▼コテ仕上げ
コテ仕上げは、コテを使って表面の凸凹をなくし、ツルツルにする仕上げ方法です。
メリットは、表面がツルツルなので、土間コンクリートにゴミやホコリなどが付着しても掃除が簡単なところです。
反対にデメリットとしては、ツルツルが故に雨や雪の日は滑りやすく転倒につながる恐れがあります。
▼刷毛引き仕上げ
刷毛引き仕上げとは、ホウキで掃いたような刷毛目(はけめ)をつけ、表面を凸凹(ザラザラ)させる仕上げ方法です。
メリットは、雨や雪が降っても滑りにくいところです。土地の形状などから、土間コンクリートが傾斜になっている場合などは特に刷毛引きがおすすめです。
デメリットは、掃除がしづらいことと、表面がざらざらしているのでデザイン面にはあまりむかないことです。
【💡目地とは?】
まず⇩の画像を見てみましょう。
コンクリートの間に線が見えると思います。
これが「目地」です。
そして、目地の役割は主に「コンクリートのひび割れを防ぐこと」です。
意外かもしれませんが、コンクリートは性質上膨張・伸縮します。
そして、コンクリートは大きな1枚の塊であればあるほど、ひび割れしやすくなります。
このひび割れを防ぐために「目地」という溝を設置して、コンクリートを小分けすることでひび割れをなるべく防ぐことができます。
土間コンクリートは、地面→砂利(厚み15㎝)→コンクリート(厚み10㎝)の3層構造でできています。
さらに、車などが乗ることも想定し、コンクリートの中には「ワイヤーメッシュ」または「溶接金網」と呼ばれる鉄筋をいれます。この鉄筋を入れることで、コンクリートの強度の補強・ひび割れ防止に繋がります。
また、土間コンクリートの表面に雨水などがたまらないように、あえて「勾配」という傾斜をつけます。
土間コンクリートは、主に駐車スペースや門~玄関までのアプローチ、家まわり、裏口まわりなど幅広い場所に施工されます。
⇩では施工例をご紹介しているので、参考にしてみてください。
【土間コンクリート施工事例はこちら】
土間コンクリートは多くのメリットがあることから、非常に多くのご家庭で採用されています。
以下で土間コンクリートのメリットについてご紹介しています。
土間コンクリート施工を迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
土間コンクリート施工した場所からは雑草が生えなくなります。
雑草問題は「お庭のお悩みNo.1」であるほど、多くのご家庭が抱える悩みです。
「毎年炎天下の中で行う雑草処理にはもううんざり」という方には大きなメリットとなるでしょう。
特に毎日車を利用する方で、地面が土のまま駐車スペースにしていると、雨や雪の日に車体だけでなく足元もぐちゃぐちゃになり、足や車内までも汚れてしまうでしょう。
駐車スペースを土間コンクリートにすることで、車や足元が汚れるのを防ぐことができます。
土間コンクリートはとにかく手入れが簡単です。
汚れたときは水をサッと流すだけできれいになります。また、コンクリートであることから足元が汚れにくく、汚れを玄関まで持ち込むことも少なくなります。
土間コンクリートは様々な仕上げ方法があり、デザインを楽しむことができます。
コテ仕上げや刷毛引きで表面を仕上げたり、目地に芝生を植えてナチュラルな雰囲気にしてみたりなど、希望に合わせてカスタマイズすることができます。
水はけが悪いと虫の発生原因になったり、足元が濡れることがあります。
土間コンクリートは地面に対してあえて「勾配」とよばれる傾斜をつけて、水はけをコントロールすることができます。
土間コンクリートは耐久性が高く、高い強度を誇ります。
そのため、一度土間コンクリート施工をすればかなり長い期間メンテナンス不要で使い続けることができます。
土間コンクリートには良い面もあれば、もちろん悪い面もあります。
以下で土間コンクリートのデメリットについてご紹介します。
土間コンクリート施工を検討している方は、施工前にぜひチェックしてみてください。
土間コンクリート施工は、土地の状況や面積、物価の影響などで、高額になりがちな工事の一つです。
土間コンクリート施工は作業工程が多く、人件費がかかります。また、材料費や生コンクリートの運搬費、その他車両費用、残土費用など多くの費用がかかります。
しかし、土間コンクリートは一度施工するとメンテナンスフリーで長く使い続けることができるので、将来的なランニングコストはかなり低くなるでしょう。
土間コンクリートは、いずれはほぼ確実といっていいほどひびが入ります。
しかし、ひびが入ったとしてもコンクリートとしての機能に問題はないので、全体的にはメリットが大きいと言えるでしょう。
【注意!】
ひび割れで「コンクリートの中に入っているワイヤーメッシュなどの鉄筋が見えている」、「地盤が見えている」といった場合は問題ありなので、すぐ施工業者に問い合わせを行いましょう。
夏は特に土間コンクリートの照り返しがきついと感じることがあります。
また、コンクリートは熱をたくわえやすく非常に高温になるので、お子さまが裸足でペットがいる場合は注意しましょう。
この場合は、植栽で影を作ったり、水まきをすることで緩和することができます。
コンクリートの撤去は、人力では難しいため機械を使用し、撤去したコンクリートを処分する必要があるため、高額になりがちです。
また、コンクリートの撤去では近隣への「騒音問題」も配慮しなくてはなりません。
新築であれば問題ないですが、お庭のリフォームの場合、土間コンクリートの施工期間中は施工スペースに車を乗り入れることができません。
そのため、車の保管場所を確保できない場合は、コインパーキングや月極の駐車場を借りるなどの対策をとる必要があるため、その分費用がかかってしまうでしょう。
土間コンクリートの施工費用の相場は、㎡あたり8,000円~13,000円ほどが一般的です。
コンクリートの施工面積が狭いほど単価が高くなり、広いほど単価は安くなる傾向にあります。
例えば、車2台分=30㎡程度だと、35~40万円ほどになるでしょう。
また、工事費用の内訳は大まかに以下のようになります。
・丁張り・遣り方工事
・型枠工事
・掘削・残土処分
・砕石敷き・転圧
・生コンクリート、ワイヤーメッシュなど材料代
・人件費
・重機使用料およびその他諸経費
土間コンクリートの施工自体は1~3日程度で完了します。
しかし、コンクリートを打設してからコンクリートが乾くのを待つ必要があり、これを「養生期間」といいます。
養生期間は季節によって変化し、夏場などの気温が高いときで5日程度、冬場などの気温が低いときで10日程度必要になります。
また、養生期間中は車の通行・駐車ができないので注意が必要です。
【💡ポイント】
コンクリートをしっかり乾かすことで、コンクリートの強度を担保することができます。
また、コンクリートが完全に乾き、最高強度に達するのがコンクリート打設から28日程度といわれています。しかし、28日間車を駐車することができないことではなく、養生期間を過ぎれば車を駐車することができます。
まず測定をして、砕石・コンクリートをいれる分の土を掘ります。
ここで採掘した土は「残土」と呼ばれ、この残土を処理するための費用が別途かかってきます。
次に砕石を敷き、敷いた砕石を転圧します。
転圧をすることで、コンクリートの安定性を高めることができます。
砕石敷き・転圧の次は型枠を設置します。
ここで設置した型枠に生コンクリートを流し込むため、プランと誤差が生じないよう正確に型枠を組む必要があります。
型枠の設置が完了したら、ワイヤーメッシュや鉄筋を設置します。
ワイヤーメッシュと目地の設置が完了したら、生コンクリートを流し込み、固めます。
生コンクリートにバイブレーターという機械を入れ、振動をかけます。
振動をかけることで、不要な水分と空気を抜けやすくなるので、見た目を整え、強度を上げることができます。(かける振動は少なすぎず多すぎず、適度にかける必要があります。)
生コンクリートの流し込みが完了したら、コンクリートが乾かないうちに表面仕上げを行います。
表面仕上げが終わったら養生を行います。
車が駐車できるまでコンクリートが乾いたら、土間コンクリートの施工完了です。
ブラシやスポンジなどを使った水洗いは、最も一般的な方法です。
ごみの付着など、軽度な汚れはこの方法で大体きれいになります。
ブラシなどを使って水洗いをしても汚れが落ちない場合は、中性~アルカリ性の家庭用洗剤や重曹を使ってみましょう。
また、アルカリ性が強い洗剤を使用する際は、手荒れに注意が必要です。手袋をはめるなどの対策をとって掃除をしましょう。
【※注意!】酸性洗剤の使用は絶対にやめましょう。
コンクリートはアルカリ性のため、酸性洗剤を使用するとコンクリートが傷む可能性があるので、酸性洗剤の使用は絶対にやめましょう。
ブラシなどを使ってこすっても落ちない汚れは、家庭用高圧洗浄機を使うことで解決することもあります。
なるべく洗剤を使いたくない方は、ぜひこの方法を試してみてください。
土間コンクリートはメンテナンスが簡単でデザイン性にも優れていることから、「ここもあそこも土間コンクリートにしよう!」となってしまうパターンが多く、結果「必要以上にコンクリートにしてしまった」と失敗に感じることがあります。
さらに、コンクリートは一度打設してしまうと、費用などの観点から簡単に撤去ができません。
【💡予防方法】
土間コンクリートを打設するための目的を決めて、コンクリートにする場所、範囲を絞るようにしましょう。
例えば、「コンクリートは駐車場2台分とアプローチ分だけにする」など目的を決めることで、失敗する確立を下げることができるでしょう。
土間コンクリートに水たまりができてしまうことも、よくある失敗例であり、その原因は「勾配不足」です。
また、土間コンクリートの施工後すぐ水たまりができてしまうようであれば勾配不足が考えられますが、施工後しばらく時間が経ったあとから水たまりができるようになったら、経年劣化によるくぼみの発生が考えられます。
【💡予防方法】
設計時や施工時にしっかり勾配の確認をしましょう。
営業担当の方や、施工時の現場監督に尋ねてみましょう。
①にも繋がる内容ですが、「灰色一辺倒でなんだかつまらない庭になってしまった」となってしまうこともあります。
【💡予防方法】
全体的なデザインを考慮しましょう。
例えば、プランの関係で灰色になりがちだと感じた場合は、土間コンクリートの目地にカラー砕石や芝などをひいたり、庭のどこか一か所でも良いのでシンボルツリーなどを植えるなど、ちょっと色をプラスすることで一気に見た目が変わるでしょう。
土間コンクリートは一度施工してしまえばメンテナンスフリーで長期間活躍してくれることから、外構工事ではかなり多くの方が採用しています。
しかし、土間コンクリートにはデメリットも存在するので、メリットとデメリットについてしっかり理解し、予算と理想の仕上がりを明確にしてから施工しましょう。
外構・エクステリア工事のこと、
どんなことでもお気軽にご相談ください。